【あぶない刑事】【あぶ刑事】【フィルムコンサート】【フィルム・コンサート】【シネマコンサート】【シネマ・コンサート】【神奈川県民ホール】
あやうく2年寝かせるところでした。
●フィルムコンサートどうなの?
新聞広告や催し物カレンダー(いまどき言わないか)でフィルムコンサートと言うものを見かけたことが何度かあった。
生演奏は良いとして、ダイジェスト映像見て満足できるのかな、という印象を持っていた。
これまで気になった映画タイトルのフィルムコンサート情報を見かけてもいまいち食指が動かなかった。
2016年、初のフィルムコンサート「あぶない刑事」に行ってきた。
結論から言うとフィルムコンサートは「あり」だと思った。
思い入れのある作品であれば、行くべき。
以下、延々と記録という名の感想。
●あぶない刑事フィルムコンサート
初の県民ホール。もちろん神奈川県の。
行くにあたりこちらも初めて知ったのだが、まさか県民ホールと同い年とは。正確に言うと、県民ホールは早生まれだから学年は一つ上。
これでも4年ほど神奈川県民だった。そのうち2年半ほどが横浜市民。その間に桜木町で「交渉人 真下正義」のエキストラに参加したときは微妙な気分だった。
あぶない刑事の聖地はいっぱいあるけれど、セリフとして印象に残っている県民ホールにこんな形で来るとは。
夏に海浜幕張のミニストップに貼られていたポスターで知ったフィルムコンサート。これまで一度もフィルムコンサートなるものに行ったことはなかったが、「あぶ刑事」ロスとしては最後の公式(?)イベントのような気がして是が非でも参戦したかった。
プロモーターがディスクガレージということで、会員の自分は発売まで待った。県民ホールと言うから、そんなに大きな箱ではないだろう。何しろ昭和五十年代にできたものだし。読めないのはどれだけ申し込みが殺到するか。出演者にキャストはいないし、ナビゲーターのトオルこと仲村トオル氏がビデオ出演ときたもんだ。平日、しかもみなとみらい線が開通しているとは言え決してアクセスがよい場所ではないことに期待して、申し込んだ。
さすがに、と言うか、当然と言うか、無事にチケットを取ることができた。あとは当日、間に合うように会社を出ることができるかだ。こんな表現は好きではないが部下的なものを持つと自由が利かなくなる。
あらかじめ定時に退社する旨を伝えておく。
次のミッションは、いかに颯爽と職場を去るか。
週末以外、定時に帰ることはほとんどない。
自分の札を返し、聞こえるかどうかの声量で挨拶を言いながら逃げ出すように。
駅までの道中、コンビニでおにぎりを買う。
食べる場所はとりあえず考えない。
横浜駅でみなとみらい線に乗り換え。
うーん、やっぱりこういうアクセスは風情がない。
便利には違いないが、こういうイベント時には時間に余裕さえあれば旧来のアクセス方法を取りたかった。
みなとみらい線乗車。さすがに平日のこの時間に中華街方向に向かう人は少ない。
日本大通り駅。何度かみなとみらい線は利用しているが初めて降りる駅だ。
アクセス案内にしたがい3番出口を目指す。
余裕を持って着いてはいるが、はやる気持ちを抑えきれず歩速が上がる。
地上に出る。すでに真っ暗だ。だが、街並みは横浜そのもの。30年経ってもブラウン管の向こうに広がっていたハマのニオイを時空を超えて嗅いでいるようだ。
そして湿気を帯びた空気。潮風のせいだろう。
さて、まずは県民ホールを目指す。
山下公園の近くらしいが、山下公園にこちら側からアクセスするのは初めてだ。
横浜の街並みなんて30年前のまま止まってしまえば良いのに。
会場がみなとみらいでないのがせめてもの救いか。
山下公園が見えてきた。
先ほど買ったおにぎりをどうするか悩んでいたのだが、ふさわしい場所はここだったのだ。
日はすっり暮れているというのに、気候が程良いせいか予想外に人がいる。
空いていたベンチの片隅に腰を下ろす。
左右に先客はいたが気にせずおにぎりを取り出す。
ふと園内を見渡すと、なんとローソンがあるではないか。
知らなかった、山下公園にローソンなんて。
景観には合わないがあったらあったで便利だろう。
でも公園には昔ながらの、古びた売店の方が風情があって良い。
ブロガーの端くれとしては、この時間をネタにしたくておもむろにスマホを取り出す。
キレイになんて撮れないとわかっていてもハマの海の夜景をおさめる。
納得できず秘蔵のiPhone 5Cも出してパシャパシャ。
さぁ山下公園で一段と気分も盛り上がったところで、県民ホールを目指すとしますか。
ついに来た県民ホール。
神奈川県民でなくなって久しいが、例えどこの県民になろうとも県民ホールと言えばココだ。
すでにエントランス付近には人が群がっている。
まずは外の掲示板にあるポスターをパチリ。
次は県民ホール外観だ。
もはやブロガーなのかミーハー客なのか訳わからなくなってきた。
人が掃けたスキを狙って。
さて、外は堪能したので中に入ろう。
建物に入ってすぐ、これまた予想より人が群がっていた。
何故かアウェイのように感じ引け目に思うのは、当然ハマっ子ではないし、神奈川県民でもない故か。
30年前の今日と言えば、11歳の誕生日を迎える1ヶ月半前。
小学5年の自分は残念ながら本放送を観ていないので、これが最大の引け目を感ずる理由なのだろう。
そうは言っても、日テレでの16時からの再放送は何度も観たし、DVDだって持ってるし。
2005年の「まだまだ」の時は、仕事を抜け出して舞台挨拶にも行ったし。
引け目に感じることはない。
その点「踊る」は本放送をリアルタイムで試聴し、ロケ地行ったり、エキストラ行ってみたりと、身近なのかも。
開場時刻を少し過ぎていたが、まだ入場列ができていた。
入場後のトイレは混んでいそうなので、たまたま目の前にあったトイレで済ませる。
チケットの取り出しと荷物整理を兼ね県民ホール入口付近に立っていると、目の前にいた夫婦が揉めていた。
どうやらチケットを忘れたらしい。
聞こえてきた会話からするに、
・奥さんは旦那さんにチケットを預けた。
・旦那さんは受け取ってない。
・朝食の時に旦那さんの前にチケットを置いた。
・知らないよ。
さもありなん。
なかなか阿吽は難しいよ。
ちゃんと声かけしたり、常にチケットを持つ方を決めたり、片方の遅れを想定して初めから別々に持ってきたり。
理由話して入れてもらえないかな?なんて言っていたが「温情」などなく、杓子定規に「クール」に返されただろうか。
この夫婦の行く末を見守るのも見ていて可哀想だし、他にやることもないので入場列最後尾につく。
そうは言っても、すぐに入れる。
ロビーには即売所があり、ここにも列がなしていた。
事前情報に何もなかったとおり、特にこのイベント限定グッズがある訳ではなさそうだ。
DVD(BD)を買っているようだが、みな持っていないのだろうか。
不思議だ。こういうイベントに来るのだからコアなファンだろう。
ロビーの熱気をパシャパシャとおさめ席へ向かう。
後ろの方で真ん中でない。
プロモーターで取ってこんな席なら、もっと良い席はどこで取るのだろう。
隣席はよい意味で若々しい(痛くない)格好をした50代後半から60代前半と思しき活発なご婦人方。
こういう客層もいるのだと思いを巡らす。
ロビーに溢れていたのは圧倒的に男性が多く、また自分よりちょっと上の世代に見えた。
この手の女性二人組は想定外だった。
先ほど見た夫婦のようにアベックならあるだろうが、珍しい。
どういうファンなのだろう。
想定していたとは言え、自分と同じ生年の県民ホールの座席は年季が入っている。
ライブ鑑賞ではないので、許容できる狭さだ。
それに、真新しいホールでは「あぶ刑事」には味気なさすぎる。
ほどなくして開演時間となった。
まずはナビゲータのトオルからのビデオメッセージ。
ビデオなのに湧き上がる拍手。
気持ちはわからんでもないがどういうテンション?
続いて、「コンサート」のバンマスが登壇し、メンバー紹介。
いよいよ楽曲が始まった。
フィルムコンサートの広告を見かけるたび、どんなものなのだろう、それって面白いの?と疑問に思っていたが、なるほど「あり」だ。
特にお気に入りだったり、思い入れが強いほど。
これは「あぶ刑事」特有かもしれないが、ちゃんと進行役がいることに驚いた。
淡々と映像に合わせて演奏されるだけのイメージだった。
そういう意味では進行役の技量に左右されるのかもしれない。
今回は映像とは言え、ナビゲータ役トオルの存在がフィルムコンサートという、ちょっと特殊な形態の違和感を消してくれたのかもしれない。
これまで散々観てきた「あぶ刑事」映像に、いまさらどんな気持ちを抱くのか自分でも予想がつかなかった。
ところが、いざフィルムコンサートのフィルムコンサートたる所以、目の前で繰り広げられる生演奏、生歌の臨場感か。
はたまた、ここ数年は昔の作品を観ていなかったせいか。
”あの”県民ホールがそうさせるのか。
思いの外という言葉がピタリとくるほど、感慨深くなった。
いわゆるサントラに収録されるようなBGM的なものだけでなく、ゲストミュージシャンが自身の劇中歌を歌う。
もちろん主演の二人は居ないので肝心の曲は聴けないのだが。
まさか小比類巻かをるの生歌に感動するとは思っていなかった。
自分ではそれほどお気に入りとは思っていなかったSing Like Talkingの「Fire Cracker」を聴いたときは、間接的に感傷的な気分になった。
社会人一年目、マイカル本牧で観たフォーエバーを思い出した。
根っからのファンとは言え、突っ込みどころ満載だったのは、ちょうど30年前の放送開始時間だという20:00へのカウントダウン。
秒読み音頭を取るのは、映像の中の(録画された)トオル。
直前まではライブで演奏が行われて、肝心の時刻合わせが録画とは、どこまで実時間とシンクロできているのか、勝手ながら心配になってしまった。
そして、その瞬間。
シークレットゲスト、またはサプライズゲスト登場かと、会場の皆は淡い期待を抱いたはず。
残念ながら、事前にアナウンスされていたように、キャストは誰一人として登壇しなかった。
著名なスタッフの一人くらい招聘できなかったのだろか。
うーん、現時点では公式な最後のイベントだったと思うのだけれど。
まぁ、それでも平日にはるばるハマまで行ったけど、それなりには満足だったかな。
機会があれば他のフィルムコンサートにも行ってみるかとは思えるレベルではありました。
あのチケット渡した、渡されてない夫婦はどうなっただろう。
最後に一言。「Want You Back Again」が聴けなかったのは残念。
〈おまけ〉
映像(フィルム)を観て
ダラダラ続けた本文にもチラッと書いたけど、散々見てきた映像にどんな気持ちを抱くのか、我ながら興味深かった。
・吉田のおばあちゃん
あの人が出てました的コーナーだったかな。
後年「踊る」に出てきた吉田のおばあちゃんこと原ひさ子さんが出ていたとは。
どうして「踊る」を見たとき、または「踊る」後に見返した「あぶ刑事」で気づかなかったのだろう。
・高杉亘
こちらもあの人が出てました的コーナーにて。
吉田のおばあちゃんとは違って「中隊長」として出てきてすぐに、「あぶ刑事」での川崎競馬場のシーンが出てきたものだ。
つい「あぶ刑事」と「踊る」両方出ている人は気になっちゃう。
・麻のジャケット
秋から始まった「あぶ刑事」。翌年の夏(初夏?)のシーンでタカが白い麻のジャケットを着ている。
あぁコレだ!と思った。コレ格好良いと思って将来マネしたいと思ったものだ。
当時のタカの年齢はとうに越えているというのに、未だにできていない。
と、なんだかんだ初のフィルムコンサートを堪能したのでした。
よしなに。
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