追憶

社会人になりたての5年間住んだ、都下、多摩地方を電車で通過した。懐かしい気がしたが、当時の最寄り駅の2つ手前、23区寄りのターミナル駅には何だかんだで隔年で来ている気がする。最寄り駅には先輩が住んでいて、こちらも2年ほど前に来ている。逆に最寄り駅から都心と逆方向に1つ行ったターミナル駅には10数年ぶりに降り立った。と言っても、改札を出たわけではなく、乗り換えただけ。
かつての最寄り駅に近づくに連れ、車窓に懐かしさを覚え、読書を止め外に目をやる。見慣れた風景と思いつつ、10数年も経つと町並みも変わっている。何しろ、乗っている車両さえ変わっているのだがこれが最大の違和感の原因だ。201系のオレンジがホームに入って来る光景がある意味トラウマでもあったのだが、E233系となったので記憶の引き出しを開けるトリガーが減った感じさえする。
そう、懐かしんでみたが、決してその頃が良かったという記憶ではない。そして、どういうわけか、この時の移動のお供は当時挫折したビジネス系啓蒙書を再読していた。ハードカバーだったものが、電子版になっという違いはあったが、これも世の流れだ。
まったく、自分の意志で選んでおきながら、このタイミングで読まなくても良いと思うのだが。いやぁ、本当に我ながら恐ろしい。
思い出は美化されてしまうが、実際に当時の場所に行ったり、その頃に読んでいた本屋、テレビ、音楽など外的要因が作用すると結構感情ごと思い出してくれるものだね。

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